日本ではまだあまり知名度の少ないローカルAIアシスタントツールの「Lenovo AI Now」
本記事では、Lenovo AI Nowとはどんなツールなのか？実際に使ってみた感想を紹介していきます。
- Lenovo AI Nowは機密性の高いローカルAIだからビジネス用途で特におすすめ
- ローカルチャットやナレッジアシスタントは無料で何度も利用し続けられる
- 現在は日本語に非対応、対応後はより使いやすくなるのでポテンシャルが高い
Lenovo AI Nowとは
Lenovo AI Nowとは、インターネットに接続せず利用できるローカルAIアシスタントツールです。
- ローカルチャット：チャット（プロンプト）を入力するとAIによる回答を得られる機能
- ナレッジアシスタント：ローカルストレージにアップロードしたデータに基づいた検索・Q＆A、要約、生成を行ってくれる機能
- PCアシスタント：自然言語によりPCの設定の管理を行える機能
ローカルチャットでは、日本で特に知名度の高いAIツール「Chat GPT」のようなことがネットにアクセスせずに行えます。
ナレッジアシスタントでは、Lenovo AI Now上にアップロードした「Word/Excel/PowerPoint/PDF/TXT/イメージファイル」のデータに基づき、さまざまな命令が可能です。
イヤバズ＋アップロードしたファイルを基に議事録の要約や、新入社員の研修プログラムを作ったりなど、用途は無限にあります。
具体的にどのようなことをしてくれるのかについては、後半の「実際に使ってみた感想」で紹介しているので、是非参考にしてみてください。
プロンプトとは、AIへ送る指示・命令文のフォーマットです。自由に文章を作成して指示や命令をするよりも、フォーマットに従った文章（プロンプト）を使う方が正しい回答を得やすいため、プロンプトの利用がおすすめです。
Lenovo AI Nowの特徴
機密性が高く安全に利用できる
Lenovo AI Nowの処理はネットに接続しないローカルな環境で行われるので、アップロードしたファイルが流出することがなく安全といったメリットがあります。
会社で使う機密情報や個人情報などのファイルは取り扱いが難しく、ネットに接続しクラウド上でデータを処理するAIツールでの利用は情報漏洩のリスクが大きいです。
しかし、Lenovo AI Nowであればアップロードしたファイルの処理は全てPC上のローカル環境でしか行われないため、外部への流出を心配することなく利用できます。
イヤバズ＋さらに、Lenovo AI Nowと行った会話は”モデルのトレーニングにも使用されず”データ収集に活用されません。
クラウドAIの課題であった「機密情報の取り扱い」の弱点を克服しているため、ビジネスシーンでも利用のしやすいAIツールとなっています。
利用回数の制限がなく無料で利用できる
一般的なAIツールでは利用回数に制限があったり有料でしか利用できないのものも多い中、Lenovo AI Nowはチャットや命令の回数に制限がなく、無料で何度も利用できます。
そのため、導入に慣れるまで何度も試行錯誤を重ねられ、導入後も便利なアシスタントツールとして活躍し続けます。
テクリスLenovo AI Nowだとずっと質問できるからすごく便利だよ！
日本語には非対応
Lenovo AI Nowの弱点の一つとして、現在は英語しか対応していない点が挙げられます。
ツールを利用するためのチャットやプロンプトは、全て英語で行わければなりません。
テクリス英語が苦手な僕には少しハードル高いかも
イヤバズ＋コピー＆ペーストと翻訳ツールを併用すれば英語ができなくても利用できます。
なお、Lenovo AI Nowの「よくある質問ページ」によると、今後多くの言語に対応する予定です。
現在、Lenovo AI Nowは英語に対応しています。今後、さらに多くの言語を追加する予定です。
実際にLenovo AI Nowを使ってみた感想
- ローカルチャット
- ナレッジアシスタント
- PCアシスタント
上記、3機能を実際に使ってみた感想を紹介していきます。
ローカルチャット
プロンプト無しで使用した場合。
私の英語力が低いのか、求める回答を得られることは少なかったです。
（画面上に表示されている）プロンプトを利用した場合。
多くの場合で求めた回答を得られました。
個人的に「Continue writing based on this content:[describe the content]」というプロンプトの使い勝手が良く、気になる内容を[describe the content]内に入力すると詳しく回答してくれました。
細かな条件を指定した内容にもしっかり対応してくれるため、非常に便利です。
ちなみに、質問時は英語が必須ですが、「回答を日本語に翻訳してください」と指示を出すと日本語での回答を得られました。
なお、プロンプトを全て翻訳するのはやや手間なので、英語が苦手な方はスマホの翻訳カメラアプリを使うとスムーズに理解できます。
テクリスこのクオリティで無料で何度も質問できるのはすごいよね。
イヤバズ＋ネットに接続しない関係上トレンディな質問にはやや弱いですが、アドバイスや分析を求める質問には強く、求めた回答をよく得られました。
ナレッジアシスタント
ナレッジアシスタントの活用方法は多岐にわたるため、今回は以下のビジネス用途で検証してみました。
- 議事録の要約：会議の議事録をまとめたテキストファイルの要約を任せる
- 研修プログラムの作成：社員情報や過去の研修データをアップロードし、新入社員向けの研修プログラムの設計を任せる
- 問い合わせデータの参照：過去の問い合わせ内容をまとめたデータにアクセスし、顧客から問い合わせを受けたときに素早く回答を参照する
議事録の要約
会議の議事録内容をまとめたWordファイルをローカルストレージにアップロードし、議事録の要約を求めたところ、良い感じにまとめてくれました。
その後議事録に限らず何度か要約を試してみたところ、問題なく行えました。
Lenovo AI Nowでは、Wordファイルやテキストファイルの要約は得意な傾向があるようです。
研修プログラムの作成
社員情報や過去の研修データをアップロードし、新入社員向けの研修プログラムの設計を求めたところ、詳しく作成してくれました。
ただし、指示やプロンプト次第では求める回答を得られないこともありました。
テクリス「Design a training program for Developers（デベロッパー向けの研修プログラムを作って）」と指示したらうまく回答されたよ！
イヤバズ＋要約のように単純な処理以外を求める場合には、多少の試行錯誤が必要になります。
問い合わせデータの参照
顧客からメールや電話などで問い合わせを受けたとき、Lenobo AI Nowを使って過去の回答にすぐアクセスできれば即座に返答ができると思い、こちらの利用シーンを想定して検証してみました。
しかし、いろいろな文章で質問を繰り返したものの求めた回答を得られませんでした。
イヤバズ＋過去の問い合わせデータをまとめたエクセルデータをアップロードし、問い合わせ内容に対する解決策を質問したのですが、うまくいきませんでした・・・。
自分の質問の内容が悪い可能性や、AIが理解しやすいようエクセルファイルを工夫する必要があるかもしれません。
これらの検証により、ナレッジアシスタントは便利であるものの、用途次第では理想の結果が得られないこともあることがわかりました。
PCアシスタント
最初は「わざわざLenovo AI Nowを使わずに、自分でパソコンの設定を行えばいいのでは？」と思ったものの、意外に使い勝手がよかったです。
例えば、パソコンの電源モードを変更したいとき、「cahnge the power setting」と指示を出すと即座に設定が行えました。
普段パソコンの設定方法がわからないとき、ネットで設定方法を検索したり設定アプリを開いて試行したりします。
しかしこのPCアシスタントツールを使えば、手間をかけずに命令をするだけで設定が行えるので、時間短縮に貢献してくれるでしょう。
テクリス「この設定どうやるんだっけ？」って場面、結構あるもんね〜。
イヤバズ＋全ての設定をPCアシスタント機能で行うというよりは、よくわからない設定がある場合にはまず使ってみる、という使い方がいいかなと思いました。
Lenovo AI Nowの将来性について
今回Lenovo AI Nowを利用して、将来性は高いと感じました。
- 日本語への対応
- 利用者数・知名度の向上
- ビジネスシーンでの存在
現時点では日本語への対応が進んでいないこともあり、知名度もあまり高くなく、日本人にとってLenovo AI Nowが使いやすいとは言いづらい部分があるでしょう。
しかし、今後言語の対応が進むにつれ世界的に利用者数や知名度も増加し、ユーザーにとって利用がしやすくなっていくと思います。
さらに、ローカルな環境で利用できるという特性上、機密情報を扱うビジネスシーンでは非常に価値のあるサービスであることは間違いありません。
テクリス今後の活躍に期待だね！
イヤバズ＋今回の検証では私が英語が苦手ということもあり、まだまだLenovo AI Nowを使いこなせていませんでしたが、日本語へ対応すれば今後流行るポテンシャルを秘めていると感じました！
