「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」は性能が良いだけでなく、レノボのさまざまな独自機能を利用できる製品です。
実際の使い勝手はどれほど快適なのか、独自機能は使いやすいのかなど、実際に検証してみました。
- 高性能で軽量なビジネスノートPCが欲しい人
- セキュリティ性能にも力を入れているPCが良い人
- LenovoのローカルAIツールやトラックポイントを利用したい人
スペック解説
製品名 | ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition |
ディスプレイ | 14.0型 2880×1800解像度 OLED(有機ELディスプレイ) |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Intel Core Ultra 7 258V |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB PCIe NVMe(OPAL2.0対応) |
サイズ | 約 312.8(幅) x 214.7(奥行き) x 14.3(厚さ)mm |
重量 | 約986g |
価格 | ¥ 299,970円 ※2025年1月時点での価格 |
本製品はレノボの高性能ビジネスノート「ThinkPad X1」シリーズの中でも、上位グレードに位置するハイパワーなPCです。
「最新の高性能CPU」「自己暗号化ストレージ」「大容量メモリ」「美麗な有機ELディスプレイ」「薄型軽量設計」と、プロフェッショナルにふさわしいビジネスノートPCに仕上がっています。
セキュリティ性能が高く、ハイスペックな仕事用ノートPCをお求めの方にはとくにおすすめです。
- 全体的に高性能・高品質でストレスフリー
- セキュリティ性能が高くビジネス用途にも最適
- Smart Modes・トラックポイント・Lenovo AI Nowなど本機の独自機能が優れている
- NPUの使い道が現状少ない
ThinkPadシリーズお馴染みの「トラックポイント」はもちろんですが、一部の製品でしか利用できない「Smart Modes」や「Lenovo AI Now」に対応しているのも本製品の魅力です。
キーボードの真ん中についてる赤ポチがトラックポイントだよ!
各機能の活用シーンや、実際に使ってみてわかった本製品のメリット・デメリットについても触れていきますので、是非参考にしてみてください。
\ 高性能ビジネスノートPC/
外観(デザイン)/大きさ/重さ
外観(デザイン)
光沢感のないマットな質感で落ち着きのある外観は、普段使いはもちろんビジネスシーンでも使いやすい美しいデザインです。
天板ロゴの一部は電源起動中には点灯し、スリープ中にはゆっくり点滅する仕様となっています。
パソコンを閉じた状態でも、電源が切れているのかスリープ中なのかが一目でわかるよ!
カメラを備えるディスプレイ上部は少し盛り上がった形状となっていて、PCを開くときにつまみやすく、両手を使わず片手で開くことができます。
電話対応中など、片手が塞がっている忙しいシーンにもPCが開きやすいのは嬉しいですね。
キーボード上のトラックポイントはカーソルの移動だけでなく、ショートカットを駆使することでさまざまな操作が行えますよ。
大きさ
サイズは、A4用紙よりほんの少しだけ幅が大きいくらいのサイズ感です。
有機ELディスプレイは従来のディスプレイよりも薄く設計できることもあり、本機も厚みが薄く非常にコンパクトに仕上がっています。
バッグやリュックにもすんなり入るサイズ感だよ〜
重さ
一般的な14インチノートパソコンが1.5kg前後の製品が多い中、本製品の重さはなんと1kg以下。
手に持つと明らかに他製品よりも軽く感じるほど軽量で、初めて手にしたときは軽さに驚きました。
高性能なパーツをたくさん搭載しているのに軽量ってすごいね!
軽くて頑丈なカーボン素材を採用しているので、持ち運びもしやすいです。
ディスプレイ
本製品のディスプレイには有機ELのOLEDディスプレイを搭載しています。
OLEDディスプレイは各ピクセルが独立して発光する仕組みで、コントラストが高く色鮮やかで美しい映像表現が可能です。
従来のディスプレイと比べると、とくに黒色の表現が得意です。
通常のディスプレイよりも画質が良くて、綺麗だね〜!
さらに、OLEDディスプレイには視野角が広いという特徴もあります。
正面からだけでなく、左右から画面を覗いたときにも綺麗に見えるので、複数人で資料や映像を見るようなシーンにも活躍するでしょう(写真では光の反射でやや見えづらいですが、実際には綺麗に見えます)。
バッテリー性能
本機のバッテリー性能を確かめるために、1時間YouTubeを再生し検証してみました。
結果、1時間で「99%」→「92%」になったので、約7%の消費となりました。
単純計算で約14時間もバッテリーが持つ計算となります。
製品仕様書では「動画再生時:約11.6時間」となっていたため、公称値以上のバッテリー性能が期待できそうです。
半日以上は全然使えそうだね!
画面の明るさや電源設定を調整したり、アイドル時のことも考慮するとより長時間利用できそうですね。
インターフェース
端子は左右に備わっていて、背面にはありません。
左側面
- USB3.2(Type-A)
- USB4(Type-C)×2
右側面
- USB3.2(Type-A)
- HDMI
- マイク・ヘッドフォンジャック
USB Type-A端子は合計2個、Type-C端子は合計2個備わっているので必要十分です。
LANポートも備わっていれば良かったなと思いましたが、薄型化のためには仕方がないと言えるでしょう。
LANケーブルをつなぐ場合には、USB接続可能なアダプターを別途用意しましょう。
付属品
マニュアルや保証書などの書類に加え、電源アダプタが付属。
ケーブルは伸ばすとそこそこの長さあるので、充電もしやすくかなり余裕があります。
書類はひとつの茶封筒にまとめて入ってるよ!
CPU・GPU・SSD性能
Intel Core Ultra 7 258V(CPU)
Core Ultra 7 258Vは省電力稼働が得意なCPUで、低負荷時に4つのEコアで処理を行うことにより、動画再生時などの低負荷時はバッテリー消費を抑えてくれます。
高負荷時は4つのPコアが処理するため、重い処理もそつなくこなせます。
Core Ultraシリーズ2はNPU性能も前世代よりパワーアップしているので、今後のAI用途の発展次第ではさらに活躍するでしょう。
Intel Arc Graphics 140V(GPU)
CPU内蔵グラフィックスとしては比較的性能が高いです。
VALORANTやLeague of Legendsなどの動作が軽いゲームだけでなく、設定次第では原神やFF14などのゲームも楽しめるパワーを持っています。
とは言え、内蔵グラフィックスの中では性能が高いという話しであり、RTXシリーズなどと比べるとパワーは劣るので、ゲーミング用途で過度な期待はしないようにしましょう。
時々軽いゲームで遊ぶくらいの人には十分すぎる性能だね!
1TB(SSD)
読み込み速度(Read) | 書き出し速度(Write) |
---|---|
13355MB | 9843MB |
この数値の優劣に関しては、下記の表を参考にしてみて下さい。
ゲーム利用時の動作性 | |
---|---|
5,000MB/s以上 (NVMe Gen4) | とても快適 |
1,500MB/s以上 (NVMe Gen3) | 快適 |
500MB/s以上 (SATA3) | やや快適 |
300MB/s以下 (HDD) | 不快(軽いゲームなら問題なし) |
専用ソフトでSSD性能を調べた結果、読み書き共に非常に速い数値が出ました。
実際に動画などの重いデータもスムーズに読み書きが行えました。
PCの立ち上げはもちろん、ソフトやゲームの起動も非常にスムーズで快適に動作が行えます。
本機の大きな特徴
Lenovo AI Nowが利用可能
本製品は、要件を満たしたデバイスでしか利用できない「Lenovo AI Now」が利用できます。
Lenovo AI Nowとは、ネットに接続せずPC上だけで動くLenovoのローカルAIアシスタントツールです。
- ローカルチャット:チャット(プロンプト)を入力するとAIによる回答を得られる機能
- ナレッジアシスタント:ローカルストレージにアップロードしたデータに基づいた検索・Q&A、要約、生成を行ってくれる機能
- PCアシスタント:自然言語によりPCの設定の管理を行える機能
Lenovo Ai Nowなら”ローカルな環境”で利用できるので安心です。
ネットに接続するクラウド系のAIだと、機密情報を扱うファイルは絶対アップロードできないからね…!
ナレッジアシスタント機能を使えば、社内のマニュアルをローカルストレージに全てアップロードしておき、気になったときにAIアシスタントに質問すると楽に参照することができます。
ほかにも、領収書などのファイルをアップロードして後から確認したり、ナレッジをローカルストレージにアップロードし参照しやすくするなど、使い道は無限大です。
しかも、無料で使い放題なんだって!
本機でもLenovo AI Nowを利用してみましたが、快適に動作しました!
Smart Modesが利用可能
本機はLenovoの一部の製品でしか利用できない「Smart Modes」というアプリが利用できます。
「Smart Modes」は生産向上アプリで、以下の4モードのオンオフを簡単に切り替えられます。
- シールドモード:傍観者からの覗き見などを防止するセキュリティモード
- アテンションモード:通知などを制限する集中モード
- コラボレーションモード:ビデオエフェクトによりビデオ会議の向上させるモード
- ウェルネスモード:姿勢の警告や定期的に目を休めるリマインダー通知など健康を増進させるモード
バッテリーの消費を抑えたいときに、ワンボタン/ワンクリックで省電力に切り替えができて便利でした。
個人的にはとくに「シールドモード」「ウェルネスモード」の2つが便利に感じました。
シールドモードを有効にしていると、第三者から画面を覗かれるとアラートを表示したり、画面をボカしてくれるので外でも安心してノートPCを開けます。
ウェルネスモードを有効にしていると、いつの間にか猫背になって画面に顔を近づけすぎていることをアラートしてくれるので、姿勢の改善につながりました。
作業に集中してると、いつの間にか猫背になったりするんだよね
レノボには高性能なノートパソコンはたくさん存在しますが、本機能を利用できる製品は少ないです。
こちらの機能に魅力を感じた方は、是非検討してみてください。
高品質・高性能で完成度が高い
本製品を一言でまとめると、完成度が高いノートパソコンです。
スペック表を見てもわかるように高性能なパーツで構成されているので、普段使いやビジネス系ソフトもさくさくストレスフリーに動かせます。
本体も薄く軽いので持ち運びがしやすく、充電のできない外出先でも長時間バッテリーで稼働し続けられるでしょう。
OLED液晶を採用してるから画面も綺麗だよ〜。
このように、とくに欠点らしい欠点が見つからないほど高品質・高性能なノートパソコンとなっています。
各ソフトの動作性について
ここでは本機のソフト動作性をざっくりとまとめてみました。
アプリやソフトによっては「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」の動作保証(サポート)最適化が不完全となっているため、各ソフトの必要スペック値を参考に表を作成したことをご理解ください。
デスクワーク効率系ソフト | ||
Word | Excel | PowerPoint |
◎ | ◎ | ◎ |
クリエイティブ系ソフト(イラスト・画像) | ||
CLIP STUDIO PAINT | Photoshop | Illustrator |
◎ | 〇 | 〇 |
クリエイティブ系ソフト(動画編集・3D) | ||
Premiere Pro | After Effects | blender |
〇 | 〇 | △ |
本製品はCPU性能が高くメモリ容量も大きいため、グラフィック性能を大きく要求しない大多数のソフトを快適に動かせます。
After EffectsやPremiere Proといったソフトは問題なく動作するものの、blender等の3D系ソフトだとGPUパワーが不足しているため、やや厳しいかもしれません。
「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」に似ているPCと比較
ここでは本機とパーツやスペックが似た別会社製品と比較するので、優劣を把握し購入時の参考にして頂ければ幸いです。
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition | ASUS Zenbook S 14 UX5406SA |
---|---|
¥ 299,970円 ※2025年1月時点での価格 | ¥ 299,800円 ※2025年1月時点での価格 |
Intel Core Ultra 7 258V | Intel Core Ultra 7 258V |
32GB | 32GB |
1TB SSD | 1TB SSD |
14.0型 2880×1800解像度 OLED(有機ELディスプレイ) | 14.0型 2880×1800解像度 OLED(有機ELディスプレイ) |
最大14.5時間駆動 | 23.3時間駆動 |
約986g | 約1.2kg |
「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」最新価格・ スペック一覧【レノボ公式】 | 「ASUS Zenbook S 14 UX5406SA」最新価格・スペック一覧【ASUS公式】 |
今回はほぼ同じ性能・価格のASUSの「Zenbook S 14 UX5406SA」と比較してみました。
ディスプレイのサイズや種類までほぼ一緒の構成となっていますが、重量面ではThinkPadが優位に立っています。
バッテリー面ではZenbookが優位に立っていますが、検証でも解説したようにThinkPadも公称値以上にバッテリー性能は高いため、バッテリー性能には優れています。
Vivobookのバッテリー駆動時間は「約9時間」となっていたものの、アイドル時かどうかが判断できないため比較はできませんでした。
結論、より軽いノートパソコンを求める方には「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」がおすすめ。
よりバッテリー性能の高いノートPCが欲しい方には、「ASUS Zenbook S 14 UX5406SA」がおすすめです。
「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」の気になる点
本製品に限ったことではありませんが、せっかくAI用途に特化したNPUを搭載しているにもかかわらず、現状まだまだNPUを活かしきれないのがやや残念な点です。
ローカルAIアシスタントツール「Lenovo AI Now」でNPUが活躍してくれると期待していたものの、実際にはNPUではなくGPUを使用して動いていたので、NPUが力を発揮することはありませんでした。
もちろん現在でもNPUを使用するソフトは存在しますが、一部の用途で利用するソフトということもあり、一般的とは言いがたいです。
「Lenovo AI Now」でNPUが力を発揮すると思ってたのに・・・。
AIツールの今後の発展に期待です。
まとめ
- 全体的に高性能・高品質でストレスフリー
- セキュリティ性能が高くビジネス用途にも最適
- Lenovo AI NowやSmrt Modesなどの独自機能が使いやすく優れている
- NPUの使い道が現状少ない
- 負荷の重いゲームは厳しい
全体的に高性能で隙がなく、ビジネスパーソンに嬉しいセキュリティ機能も備えた高品質なノートパソコンです。
小型で軽量かつバッテリー性能も優れているため、外への持ち運びもしやすくなっています。
気になった方はレノボの公式サイトを是非チェックしてみてくださいね。
\ 高性能なノートPC/