「VAIO SX14-R」は、高級感のあるデザインが特徴的なVAIOの最新高性能ノートPCです。
軽量薄型で持ち運びがしやすく耐久性にも優れていて、VAIO独自のセキュリティ機能や工夫が豊富につまっています。
欠点がなく見える本機ですが、実際の使い勝手を検証してみましたので、気になる方は是非参考にしてみてください。
- とにかく使い勝手に優れ、不満のないストレスフリーなノートPCが欲しい人
- 手に馴染んで持ちやすい薄型軽量のノートPCがほしい人
- 耐久性に優れ品質やサポートの良い高性能ノートPCが欲しい人
スペック解説
製品名 | VAIO SX14-R VJS4R18 |
OS | Windows 11 Pro 64ビット |
CPU | Core Ultra 7-155H |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB Gen4 SSD |
ディスプレイ | 14.0型ワイド(WUXGA 1920×1200)アンチグレア |
サイズ | 約幅312.0mm×高さ13.9~18.9mm×奥行226.4mm |
重量 | 約999〜1178g |
価格 | 292,800円(税込) ※2024年12月時点での価格 |
2024年11月に発売された、VAIOの高性能ビジネスノートパソコンです。
製品仕様を見ただけだと一般的な高性能ノートパソコンに思うかもしれませんが、VAIO独自の工夫や機能が豊富につまっています。
- エグゼクティブで高級感のあるデザイン
- 薄く軽く持ち運びがしやすい
- ビジネスパーソンをサポートするさまざまな独自機能や工夫
- 高性能でストレスフリー
- 価格が少しだけ高い
唯一のデメリットは他社製品と比較して、少しだけ高値な点。
製品仕様を見ただけでは、本機の良さを100%理解することは難しいでしょう。
実際に使ってみた者にしかわからない魅力が本当にたくさんつまっているので、本記事では少しでもその魅力が伝えられるよう紹介していければと思います。
カスタマイズをせず標準構成のままなら、価格は約26万円だよ!
利用者のことをよく考えられて作られた「細かな工夫」が愛おしくなる、そんな国産ノートPCです。
外観(デザイン)/大きさ/重さ
外観(デザイン)
本機のカラー「ディープエメラルド」は個性的でありながら落ち着きのあるカラーとなっており、天面各所に施されている金色のメタル加工との相性も抜群で、高級感や質感の良さをより一層高めています。
角が取れた丸みを帯びたデザインとなっているのもポイントで、どの部分を持っても感触が非常に良く、手に馴染む優しいフォルムです。
画面を開くとキーボードに傾斜がつくようになっていて、タイピングのしやすいちょうど良い角度になっています。
とくにビジネスシーンで映えるデザインだなと感じました。本当にかっこいいです。
他にも「アーバンブロンズ」「ブライトシルバー」「ファインブラック」などのカラーがあるよ!
大きさ
大きさはA4サイズのクリアファイルとほぼ同じなので、ほとんどのリュックやバッグに収納できます。
厚さもノート1〜2冊分程度でかさばらず、持ち運びもしやすいです。
カクカクせず丸みを帯びてるから、バッグ内で引っかからず取り出しやすかったよ!
重さ
一般的な14インチノートパソコンは1.4kg前後の商品が多い中、本機の重量は約1kgと非常に軽量。
一度手に持てば「あっ、軽い」とわかるレベルの軽さでした。
手に馴染むフォルムと相まって、軽くて持ちやすい製品に仕上がっています。
またバッテリー性能については後述しますが、一般的に軽量化を進めるほどバッテリー性能がおろそかになりがちな中、本製品はバッテリー性能も優れています。
ディスプレイ
本機のディスプレイ解像度は「1,920×1,200」のWUXGAとなっています。
通常のフルHDサイズである「1,920×1,080」よりも、縦の表示領域が11%広いのがWUXGAの特徴となり、作業領域の広さが使い勝手の良さを向上させています。
ちなみにカスタマイズで2,560×1,600解像度のタッチディスプレイに変更が可能だよ!
また、画面は180度に開くことができるので、ビジネスシーンなどで相手に画面を見せたいときにも便利です。
バッテリー性能
本機のバッテリー性能を確かめるために、99%充電状態から1時間YouTubeを視聴し検証してみました。
画面の明るさ最大、電源モードは「バランス」設定で検証したよ!
結果、1時間で93%となり、バッテリー消費は6%のみでした。
単純計算で約16時間は動画を再生し続けられることになり、バッテリー性能も優れていることがわかりました。
電源モードを「最適な電力効率」設定にすればさらに長時間の稼働も可能になるため、予め充電をしておけば出先でバッテリー残量に困ることは少ないでしょう。
インターフェース
右側面
- USB Type-A(3.0 給電機能付き)×1
- USB Type-C×1
- LANポート
- HDMI出力
- ステレオミニ端子
左側面
- USB Type-A(3.0)×1
- USB Type-C ×1
USB端子はTypeAとType-Cがそれぞれ2個ずつ備わっています。
本機はUSB Type-C経由で充電が行えるので、状況に合わせてPCの左右どちらに接続しても充電できるのがかなり便利に感じました。
左側を使って充電したいとき、右側を使って充電したいときって、状況によって変わるもんね〜。
付属品
USB Type-C端子対応のACアダプターと、クリーニングクロスが付属品としてついています。
ACアダプタは折りたたみプラグとなっているので持ち運びがしやすく、また他のアダプターとも干渉がしづらい仕様となっています。
使いやすいよう細かいところまで考えられてるんだね!
CPU・GPU・SSD性能
Core Ultra 7 155H(CPU)
Core Ultra 7 155Hは2023年12月に発売されたノートPC向けプロセッサーです。
従来のCore i7同様に高性能なCPUですが、Core Ultraになったことにより「省電力」「NPU」を手に入れています。
NPUはAI用途で効果を発揮するのですが、現状ではStable Diffusionなどの一部のソフトでしか恩恵を感じることができないため、今後に期待です。
Stable Diffusionでの画像生成にかかる時間をNPU非搭載機と比べると、倍近く生成時間が短縮されたよ!
CPUはカスタマイズで「Core Ultra 7 155H」「Core Ultra 5 125H」から選択できます。
Intel Arc graphics(GPU)
一部のCore UltraシリーズのGPUには「Intel Arc graphics」が搭載されてあり、本機にも搭載しています。
VALORANTやLeague of Legendsなどの比較的軽めのゲームであれば、電源設定やグラフィック設定次第では高いフレームレートでのゲームが可能です…が、本機でゲームをプレイする人は少ないでしょう。
ちなみに、60fpsを多少下回ることを許容できれば、その他のゲームもプレイできると思われます。
512GB(SSD)
読み込み速度(Read) | 書き出し速度(Write) |
---|---|
6677MB | 4485MB |
この数値の優劣に関しては、下記の表を参考にしてみて下さい。
利用時の動作性 | |
---|---|
5,000MB/s以上 (NVMe Gen4) | とても快適 |
1,500MB/s以上 (NVMe Gen3) | 快適 |
500MB/s以上 (SATA3) | やや快適 |
300MB/s以下 (HDD) | 不快(軽いゲームなら問題なし) |
専用ソフトでSSD性能を調べた結果、「とても快適」に値する評価数値が出ました。
PCの起動はもちろん高速ですが、とくにスリープ状態からの復帰速度が速く、画面を開くと即座に起動します。
顔認証機能と併用すると、安全かつ高速にスリープ・ロック解除ができるよ!
SSDはカスタマイズで256GBから最大2TBまで選択できます。
静音性
静音性を調べるにあたり、スマホアプリの「dB Meter」で測定しています。
結果、アイドル・通常時は23dB、ゲームプレイ時は41dBとなりました。
ほとんどのタイミングでファン音は全く気にならず、アイドリング時とほぼ変わらない騒音レベルでした。
静かな場所でも、周りの目を気にせず利用できるよ!
本機でゲームをすることはあまりないかと思いますが、ゲームプレイ時やベンチマーク計測時はファン音が多少大きくなりました。
とは言えファンが速く回っているタイミングでもそこまで音も大きくないため、全体的に静音性に優れたPCと言えるでしょう。
大きな特徴
細かな配慮が多くて使いやすい
製品仕様を見るだけだとわかりづらい、細かな配慮が本製品には多くあると感じました。
- 片手で開くことができる
- キーボードの段差のおかげでタイピングがしやすい
- 両サイドから充電ケーブルを接続できる
- ACアダプターが幅を取らずプラグも収納できる
- タッチパッドを無効化できる
- キーボードやクリックボタンが静音仕様で場所を選ばない
細かいところではありますが、利用者のことをよく考えられて設計されたことが伝わってきます。
なくてもどうにかなるかもしれないけど、あると嬉しい機能や工夫が詰まったノートPCです。
利用者に寄り添った優しいノートPCだね!
セキュリティ周りやVAIO独自アプリが優れている
本製品はビジネスシーンでの利用も想定されていて、ビジネスユース向けのVAIO独自機能が備わってあり、とても使いやすかったです。
とくに「VAIOの設定」「VAIO オンライン会話設定」のアプリから設定できる「セキュリティ機能」「ビデオ会議の調整機能」が優れていると思いました。
- 顔・指紋認証
- デジタル・アナログシャッター
- AIビジョンセンサー
- 離席オートロック
- 着席オートログオン
- のぞき見アラート
- オンライン会話モード
- 逆光補正・美肌などのカメラ補正
- 小声モード
- AIノイズキャンセリング
- バーチャル背景
作業中に第三者が画面を覗いていると「のぞき見アラート」機能で画面に警告を出してくれたり、一時離席するとPCが自動でロックされ、戻ると自動で復帰などのセキュリティ機能がついています。
ビデオ会議機能では、画面映りを良くする機能や聴き取りやすい音声に調整する機能が豊富に備わっていました。
VAIOのアプリで設定しておけば、ビデオ会議アプリごとに設定をしないでいいからすごく楽!
Google meetなどの美肌補正機能がないツールを使用する際も、美肌補正を使うことができるのも良かったです。
耐久性が高く安心できる
見ているだけでヒヤヒヤしてしまいますが、上記の動画のように複数の厳しいテストにクリアしているため、VAIOのPCはタフさに定評があります。
最長4年の保証も用意されているので、安心してノートPCを持ち運べますよ。
各ソフトの動作性について
ここでは本機のソフト動作性をざっくりとまとめてみました。
アプリやソフトによっては「VAIO SX14-R」の動作保証(サポート)最適化が不完全となっているため、各ソフトの必要スペック値を参考に表を作成したことをご理解ください。
デスクワーク効率系ソフト | ||
Word | Excel | PowerPoint |
◎ | ◎ | ◎ |
クリエイティブ系ソフト(イラスト・画像) | ||
CLIP STUDIO PAINT | Photoshop | Illustrator |
◎ | 〇 | 〇 |
クリエイティブ系ソフト(動画編集・3D) | ||
Premiere Pro | After Effects | blender |
〇 | × | × |
Office系ソフトは動作が軽いため、快適に動作します。
イラストや画像編集に使われるクリエイティブ系ソフトも問題なく動作しますが、本格的に使用される方はメモリを32GBにアップグレードするとより高いパフォーマンスが期待できるでしょう。
動画編集や3D系ソフトも同様に32GB以上のメモリがあると動作が安定しますが、blenderやAfter Efectsではより高いグラフィック性能が求められるため、やや使用は厳しいです。
「VAIO SX14-R」に似ているPCと比較
ここでは本機とパーツやスペックが似た別会社製品と比較するので、優劣を把握し購入時の参考にして頂ければ幸いです。
VAIO SX14-R | LIFEBOOK UH90/J3 |
---|---|
292,800円 ※2024年12月時点での価格 | 274,780円 ※2024年12月時点での価格 |
Windows 11 Pro 64ビット | Windows 11 Home |
14.0型インチ(WUXGA 1920×1200)アンチグレア | 14.0型インチ(WUXGA 1920×1200)アンチグレア |
Core Ultra 7 プロセッサー 155H (16コア/22スレッド) | Core Ultra 7 プロセッサー 155H (16コア/22スレッド) |
16GB | 16GB |
512GB Gen4 SSD | 512GB Gen4 SSD |
(アイドル時)約27.0時間 | (アイドル時)約30.0時間 |
約999g | 約850g |
「VAIO SX14-R」 最新価格・スペック一覧【VAIO公式】 | 「LIFEBOOK UH90/J3」 最新価格・スペック一覧【富士通公式】 |
今回は富士通の「LIFEBOOK UH90/J3」と比較してみました。
まずは価格面ですが、約2万円ほど「LIFEBOOK UH90/J3」の方が安いです。
また、世界最軽量PCを強みとしていることもあり、重量でも約100gほど軽くなっていますね。
バッテリー面でも富士通のPCに軍配が上がりますが、前述した通り「VAIO SX14-R」の魅力は製品スペックだけでは伝わりません。
VAIO独自のセキュリティ機能や工夫はスペック表に表れませんからね。
個人的な意見だけど、デザイン性は圧倒的に「SX14-R」の方がカッコ良い!
結論、記事内「大きな特徴」で記載した細かな工夫に魅力を感じた人や、所有欲を満たしたい人には「VAIO SX14-R」がおすすめ。
より軽量でコストを抑えたノートPCが欲しい方には、「LIFEBOOK UH90/J3」がおすすめです。
「VAIO SX14-R」の気になる点
VAIO PCの気になる点と言えば、やはり若干の価格の高さがあげられます。
VAIO独自のこだわりや機能を抜きにして、同じCPUやメモリ容量の他社製ノートPCであれば、1~2万円ほど安い価格で購入ができる場合がほとんどです。
少なくとも低コストを重視する方からすると、本機含めVAIOのノートPCは選択肢に入らないでしょう。
セキュリティ配慮や堅牢性、デザインや品質を重視したい方にはVAIOがぴったりです。
どうせPCを買うなら所有欲も満たしたい派だから、多少高くても全然気になりません!
まとめ
- エグゼクティブで高級感のあるデザイン
- VAIO独自の機能・工夫が豊富で使い勝手抜群
- 薄型軽量かつ高性能でストレスフリー
- (他社製品と比較して)価格が少し高い
今回はVAIOの最新ノートPC「VAIO SX14-R」の検証・レビューでした。
価格に見合った体験を提供してくれる高性能ビジネスノートPCで、利用者のことをよく考えられた工夫がたくさんつまっています。
とくにビジネスパーソンに嬉しい機能が豊富なので、気になった方は是非チェックしてみてくださいね。