イヤホンには大きく分けて2種類存在します。「インナーイヤー型」と「カナル型」です。
両者を比べた際に、耳栓型のイヤースピースを耳の中に入れるようにして装着する「カナル型」の方が、音質が良いと言われています。
しかしその一方で、
「カナル型イヤホンを使い続けると気持ち悪くなった…。」
「カナル型は長時間使用していると耳が痛くなる」
「なぜか息苦しく感じる…。」
上記のような症状が出てしまう方も一定数いるようです。
かくいう筆者もその一人で、初めてカナル型イヤホンを使用した際には、10分使用するだけで少し気分が悪くなった覚えがあります。
しかし現在では、カナル型イヤホンである「AirPodsPro」を使用して音楽を楽しむことも可能となりました。
今回はそんなカナル型イヤホンを使用すると気持ち悪くなる人に向けて、原因と対処法をまとめていきます。
カナル型イヤホンで気持ち悪くなる原因
ひどい人では吐き気を催してしまうこともあるカナル型イヤホン。なぜ使用していて気持ち悪くなる人と、ならない人がいるのでしょうか?
カナル型イヤホンで気持ち悪くなる原因は、大きく分けて2つあると思われます。
三半規管が弱い
まず最初に挙げられるのが三半規管の弱さです。
人の体は無意識のうちに、耳から聞こえてくる外の音で空間姿勢を保ったり、方向感覚を得ています。
この機能を担っているのが三半規管であり、乗り物酔いに頻繁になりやすい人は、この三半規管が弱いと言われています。
カナル型イヤホンを耳奥まで差し込むことで、三半規管や内耳が圧迫されたり、外音が聞こえない状態になるため、平衡感覚や空間認識能力が鈍ってしまう。
つまり乗り物酔いと同じ症状が出ているために、カナル型イヤホンを使用すると気持ち悪いと感じてしまう訳ですね。
自律神経が乱れている
これは前述した三半規管の弱さにつながる要因となりますが、自律神経が乱れていると気持ち悪くなりやすいと言われています。
ストレスなどによって自律神経の乱れを起こすと、三半規管への血流が不足してしまいます。
当然、血流が不足することで三半規管の機能も弱まりますので、結果的に気持ち悪さにつながるという訳です。
これは、加齢による血流の悪さにも通ずるものがあるため、歳を取れば取るほどカナル型イヤホンを受け付けなくなる人も多くなるのではないでしょうか。
単純に耳への圧迫感が耐えられない性格である
要因として、性格によるものも挙げられます。
カナル型イヤホンを使用すると、耳が長時間塞がることになるため、単純に耳への圧迫感が耐えられないという神経質な性格であると言えます。
性格とは言いましたが、結論これも、三半規管が弱い人と同じく、体の仕組み的に耐えられない構造になっているのが要因です。
つまり気持ち悪くなる人とならない人の違いは、耳に異物があると過剰に反応してしまう繊細な体か、鈍感な体かといった違いでもある訳ですね。
息苦しくなるのも耳への圧迫感が原因か
おそらくカナル型イヤホンを使用している人が、息苦しさを感じるのも、上記で挙げた耳への圧迫感が原因だと思われます。
脳の延髄から始まる迷走神経という神経は耳の近くを通り、喉から呼吸器、胃腸まで続いています。
耳かきをしていると咳き込む体験をしたことはあるでしょうか?
おそらく体験したことのある人は多いと思われますが、これは耳かきによって耳奥の迷走神経が刺激されることで、強制的に咳が出てしまっているんですね。
つまり耳奥を圧迫することで、喉奥の異変や呼吸がしづらくなる可能性があります。
この迷走神経がどこまで過剰に反応するかは、人によって様々であるため、息苦しくなる方は素直にインナーイヤー型か、骨伝導イヤホンを使用しましょう。
カナル型イヤホンで耳が痛くなる原因
では、カナル型イヤホンで耳が痛くなる原因はなんなのでしょうか。
これは単純に、カナル型がインナーイヤー型と比べて耳の奥深くまで挿入するため、内耳が圧迫されて痛くなるのが原因だと言われています。
ただ、これは長時間使用した場合に起こる問題であり、短時間で痛くなってしまう原因は下記の通りです。
イヤーピースのサイズが合っていない
イヤーピースのサイズが自身の耳の穴よりも大きすぎる場合、過剰に耳を圧迫してしまうことになります。
この場合、イヤーピースのサイズが合っていないと考えられるため、他のサイズに変更してみましょう。
最近のイヤホンには、デフォルトで「S,M,L」3種類のイヤーピースが付属していることが多いです。
また、イヤーピースは単体で購入することも可能です。
多少小さいかな?と感じる場合でも、現在痛みを感じている場合は、最小であるSサイズのイヤーピースへと変更してみてください。
軟骨に当たっている
カナル型イヤホンはその構造上、どうしても耳の軟骨に当たりやすくなってしまいます。
軟骨は通常の骨よりも柔らかく痛みを感じやすいため、耳の構造的に痛くなりやすい人に分かれます。
この場合は、イヤーフックを購入することで改善することができるようです。
イヤーフックにも種類やサイズ、硬さなどの違いがあるので、購入時の確認は必須だと言えるでしょう。
音量が大きい
普段聞いている音楽の音量が大きすぎるのも、耳を痛める原因の一つです。
加えてカナル型は耳の奥深くまで挿入するイヤホンですので、ダイレクトに音が届きやすいといった特徴があります。
カナル型イヤホンを使用する際は、音量に注意しましょう。
気持ち悪さを克服できた要因
筆者がカナル型イヤホンを長時間使用し続けられるようになった要因。
それは、三半規管が強くなったことです。
筆者の場合、最初に挙げた気持ち悪くなる原因のうち、三半規管が弱いに当てはまっていました。
車に乗ったり、遊園地のコーヒーカップに乗るとすぐ酔う体質だったため、当然ながらカナル型イヤホンを使用すると気持ち悪くなっていたんですね。
それでも克服できたのは、皮肉なことにカナル型イヤホンを気持ち悪くなりながら使っていたためです。
自身がカナル型イヤホンに弱いことを知らず、AirPodsProを購入したが故に、「高価だから使い続けなければ損だ」ということで毎日無理やり使用していました(笑)
その結果、使い続けるほどに気持ち悪さは軽減していき、何も感じなくなった最近でも作業時の必須イヤホンとなっています。
三半規管は鍛えることができるようです。(現に私も強くなりました。)
具体的な鍛え方に関しては、大正製薬の「乗り物酔いは克服できる」にわかりやすい説明が書いてあるので、そちらを参考にしてみてください。
それでもダメならインナーイヤー型か、骨伝導イヤホンを使用する
自身は三半規管が弱いと自覚している方は、三半規管を鍛えることで、カナル型イヤホンを快適に使用することができます。
一方で、
「三半規管なんて鍛えてられないよ。面倒臭い。」
「三半規管は強いんだけど、他の原因でカナル型イヤホンが使えないんだけど?」
上記のような方は、諦めるしかないようです。
最近では、インナーイヤー型イヤホンに加え、耳を痛めにくい骨伝導イヤホンも存在します。
最近ではワイヤレスに対応した骨伝導イヤホンも存在するので、バリエーションも非常に豊富で楽しめますよ。